▼ ひかりのまち
昨日と同じく6時に目覚める。雨じゃなかった。せっかく雨だと思ったのに・・・。出かける予定がない休日の雨は良く眠れて気持ちが良い。
まあ、今朝の目覚めもそんなに悪くなかったけれど。
9時に起き出して、コーヒーとタバコと新聞でぼーっと過ごす。ここで服薬。今日は、昨日「完全OFF」の日にしたので、余計なこと・・・本当は余計じゃないんだけど、負担のかかることは一切しない予定。
メールだけチェック。あとはBGMに「モーツァルト交響曲39~41」までを聴きながら読書&うたたね。昨日と違い、交響曲でも良く眠れた。
11時頃からモゾモゾと活動し始める。なんとなく不安を感じてきたのでレキソタンを一錠服用する。
昼食を外に食べに出る。今日は『魚長』で「やまかけ丼」
昨日の丼シリーズがまだ続いている。やまいもとマグロの赤身。おいしく食した。
帰り際に古本屋に寄って、CDとコミックを物色。そのとき見つけたのが今日紹介する『ひかりのまち』(浅野にいお)
タイトルも作者も聞いたことがなかった。帯に書いてある「注目の新鋭が紡ぎ出す『素晴らしい世界』に続く新世代読み切りシリーズ!」が目をひいたのである。
「新鋭!」・「新世代!」とはいかなるものか!!
旧世代を代表して、ボクが判定してあげよう・・・なんて不遜な気持ちはまったくなく、ただただ気になったから入手した。ボクは割とこのあたりの嗅覚はあると思っている。一般的かどうかは分からないが・・
帰ってきて、少し疲れを感じたので、また音楽を聴きながら読書。BGMは『ジ・オペラ・バンド』 (アミーチ・フォーエヴァー)
今度も少しウトウトしてしまった。
4時からテレビを見て、『笑点』を見終わった後で夕食のため外出。
『末広』にて「中華丼」を食す。昨日から4回続けての丼ものだ。家に帰ったらくしゃみが出て、鼻水が止まらない。風邪をひいたかも。ここで服薬。風邪薬は飲まない。
PC君と二人っきりで、いつものルーティンワークをしていると、ブログ『今日も、生きている・・』のoba3さんに、また迷惑をかけてしまったことを知る。ちょっとボクの言葉が足りなかったようだ。反省。おわびと新しいコメントをいれておいた。
ついでにoba3さんのブログでまた仕入れた情報で、当ブログにペットをもう一匹飼うことにした。小鳥の「momota」
今度は旅にでちゃうからスゴイ。扱い方はまだ良く分からないが、次第に分かるだろうから、これでいいのだ。
しかし、oba3には「SNSうつうつの会」以来、いろいろとお世話になってしまった。
さて、明日はちょっと憂鬱。やりのこした仕事をしなければならない。さらに30日は新しい病院へ通院だ。新しいところは緊張して疲れるから嫌なんだけどね。休むためには、二通の診断書が必要だというからしょうがない。
というわけで、今日はマンガだけど『ひかりのまち』を紹介する。
舞台は「ひかりのまち」と言われる新興住宅地。大型マンションが次々と建てられる一方で、古い昔からの人たちもいるという、どこの都市にでもありそうな設定の街
ボクの住んでいる所も同じようなもので、昔からの「地の人の町」といくつかのマンション群が共存している。だから、設定は理解しやすかった。
この作品に主人公はいない。正確にいうと読みきり形式なので、一話一話には主人公がいるのだけれど、その登場人物が、次の作品に登場したり、ある話で脇役だった人間が次の話では主人公になっているとか、相互につながりながら、「その世界の日常」を淡々と描いている。
「その世界の日常」とわざわざ「 」書きにしているのは、その日常そのものが現代的な問題を含む異常な世界なのだ。
例えば、父親のPCで「自殺サイト」を見つけた不登校の「タスク」が始めるのが「自殺見届け業」
死にたい人間の最後を見届けてお金を稼ぐ商売。その子の唯一の友達の女の子「ハル子」は、昔ストーカーに体を切り刻まれたことがあり、そのストーカーに復讐しようと探していつもバス停にいる。しかし、その「タスク」の「自殺見届け業」を嗅ぎ付けて来たのが、当のストーカーの「芳一」
「タスク」と「ハル子」はあることをきっかけに、二人で逃げるのだが、「タスク」は「芳一」と接近し、ストーカーであることに気づき、二人で復讐をはたすストーリー。
しかし、「芳一」は殺されはせず、後の読みきりのストーリーでは、某企業に故郷「朝日村」を買収されて、「ひかりのまち」に変えられたことをうらみ、その企業の社長を誘拐して、金を奪おうと計画する。彼の夢は「ひかりのまち」を元の「朝日村」にしたいということなのだ。
こんなふうに話が複雑にからまりあいながら、一作一作が読みきりになっている連作形式のマンガ。もちろん、その企業の社長の娘も重要な役として登場したりする話もある。
たんたんとして、切ないのだけれど、どこか不気味なものをはらんでいるマンガであった。こういうのを「新感覚」というのだろうか。
興味を持った人は、前作に『素晴らしい世界』というのもあるので、そこから読んでみるのもおもしろいだろう。
今日の名言
「プロローグ Birthday Song」
あるマンションのある一室で、若い夫婦はいつものように口ゲンカ
となりの303号室の男子高校生は、今日のデートに備える
洗っとけ そこは入念に洗っとけ
そして 彼の彼女の804号室の女子高校生は
そんな予定はとうに忘れ・・・
むしろ絶望色の下着で、今日も学校へ行く
そして その娘の父親は、失業して3日経つのに家族に言えず
今日もスーツであてもなく旅に出る
今日も団地の妻たちは、曖昧な言葉と無駄話とで、
見えすいた腹のさぐり合い
締め切りに追われる漫画家は、泥酔し、
ゴミ捨て場で原稿を描き終える夢を見る
たとえば あるベンチでは、ホームレスが死んだように眠り
ある食卓からは笑い声
ある食卓からは重い沈黙
ある恋人たちは愛を確かめ合い
ある恋人たちはお互いを傷つけあう
何よりも今朝は空気が澄み切って
白いシーツや七色のTシャツが楽しげにはためく気持ちいい朝だった
『ひかりのまち』(浅野いにお)より
さて、明日のことを考えると、何かもう、憂鬱になってきた。今日はねむれるかなあ。