▼ アフターダーク
朝、10時に起きる。
夢を見たが不快感はない。
午前中に、ヴァイオ君との
ルーティンワークを済ます。
こうすると、午後が
まるまる使えて何をやるにも、
都合が良いことに気づいた。
午前 ヴァイオ君
午後 家事等雑務
夜 趣味
という様なおおまかな計画を
立てる。
昼、カウンセリングの件で電話。
3月10日、11日ということになる。
昼食、『玉川』で「親子南蛮」
服薬。
帰ってきてから、『CHOPIN』を
聴きながら、読書。うたた寝。
『アフター・ダーク』読了
夕食、『末広』で『マーボーライス』
服薬。
夜、久しぶりにテレビを見ながら、
過ごす。
同僚より℡。明日、書類を持って来る
とのこと。
これで、明日、やることが決まった。
明日は部屋の整理と掃除。
『アフターダーク』(村上春樹)
久しぶりに村上春樹の作品を読んだ。『ノルウェーの森』や『ねじまき鳥クロニクル』あたりで、何となくあきてしまって遠ざかっていた。
独特の透明な情感の漂う文体は相変わらず。平凡なのだが、現実から微妙にかけ離れている登場人物たち。村上ワールドを堪能した。
純文学に、エンターテインメントの要素も含まれ、読むものの好奇心をくすぐるのも、相変わらずだ。
主人公は二人の姉妹。姉の「エリ」はモデルなどもするほどの美人だが、物語ではずっと寝ている。後にわかるのだが、彼女はある日、「少しだけ眠る」と言ったまま、2ヶ月もの間、眠り続けている。
その妹の「マリ」はごく平凡な女子大生。「エリ」との間に微妙な距離を感じ、眠り続ける「エリ」から逃れるように、ファミリーレストランで夜が明けるのを待っている。
レストランも、コンビニも現実に存在する会社なのだが、その素材すらも日常から浮いているような気がする。
レストランで本を読む「マリ」に声をかけたのが、姉妹のちょっとした知り合いである高橋という青年。トロンボーンを演奏する大学生。
ちなみに、この本の題名はJAZZの「アフターダーク」から来ている。
そこから、「マリ」は中国人娼婦の暴行事件に巻き込まれたり、都会の暗部をさまようことになるが、「マリ」は眠り続け、覚醒すると、「顔のない男」に、異世界に誘い込まれたりする。それを見つめる、全体を俯瞰する「我々」なる存在の目。
二人のエピソードを交互に交えながら、時系列で夜明けまで物語は進んでいく。
ここで、ボクは大変な困難を抱えていることに気がついた。純文学を言葉で説明することは、ボクにはちょっと荷が重いということだ(笑)
今日の名言
「マリ」がなりゆき上お世話になったラブホテルの店員「コオロギ」
との会話。「コオロギ」は誰かに追われて本名を隠している。
「なあ、マリちゃんは輪廻みたいなものは信じてる?」
マリは首を振る。「たぶん信じてないと思う。」
「来世みたいなものはないと思うわけ?」
「そういうことについて深く考えたことないんです。でも来世があると考える理由がないみたいな気がする。」
「死んでしもたら、あとは無しかないと」
「基本的にはそう思っています」とマリは言う。
「私はね、輪廻みたいなもんがあるはずやと思てるの。とゆうか、そういうもんがないとしたら、すごく恐い。無とゆうもんが、私には理解できないから。理解もできんし、想像もできん」
「無というのは絶対的に何もないということだから、とくに理解も想像もする必要ないんじゃないでしょうか」
何となく禅問答のような気もするが、たわいのないおしゃべりのような気もする。