▼ 破戒裁判
朝、7時に目覚め
8時にベッドから出る。
まあ、いい感じ。
午前中にヴァイオ君との
遊びを終え、
今日は『メンタル』の日。
着替えて家を出る。
11時、診療。
休職期間の過ごし方に
ついて問う。
『前向きに』という
助言をもらう。
ありがたい。
ボクの性格では、じっと
はしていられそうもない。
だから、
疲れるんだろうけど。
母の墓参りに行く予定
だったが、気がのらないので、
やめにした。
母の日に行きたいと思う。
母も分かってくれると思う。
昼食は玉川で、
『親子南蛮』
最近、食べるものに、
変化がなくなったように思う。
挑戦心は失いたくない。
午後はまた、
シュワルツネッガー主演の
『
『ツインズ』を
見ながら眠る。
二日連続でマッチョな体を見て、
変な夢でも見そう。
そのあと『威風堂々』で
リラックス。
ビデオ屋に寄り、
安い日なので二つ借りる。
夕食は、
カップ麺と調理パン。
今日は、すごく古い推理小説だけれど、『破戒裁判』(高木彬光)という作品を読んだので、それを紹介したいと思う。
『破戒裁判』(高木彬光)
高木彬光という作家は、「江戸川乱歩」とか「横溝正史」と比べると、時代も一時代違うせいか、今はあんまり評価されていないように思う。実際は、推理小説史上においては、多大な貢献をしているのだが、
「乱歩」ほどの猟奇性もないし、「横溝」ほどの本格的なトリックを駆使しているわけでもない。
しかし、この作家、例えば一時ピカレスクロマンと呼ばれる犯罪小説』などや、『邪馬台国の秘密』や『ジンギスカンの秘密』などの歴史推理、そして、今日、紹介する『破戒裁判』の法廷ものなどの日本における先駆者なのである。
それは、「松本清張」よりも、むしろ「森村誠一」や「井沢元彦」などに近い系列である。
この『破戒裁判』は物語の90%以上が法廷シーンという、今でも、なかなか見られない趣向で描かれていて、日本で最初の法廷小説と言っても良いくらいの作品である。おもしろいかどうかはそれぞれだが・・
しかし、今考えてみると、「何でこれを買ったんだろう?」という気がするのだが、多分、どっかの書評で読んだのだろうな。
推理小説だから、あまり説明はできないのだが、二つの殺人と二つの死体遺棄の四つの罪に対して、一つの「死体遺棄」の罪しか認めない容疑者を弁護する話。
なぜ、彼は一つの「死体遺棄」しか認めないのか。なぜ、彼は愛した人間をかばうのか。そこには、彼の負った運命の過酷さと、純粋な愛情とがあるのだが・・・。その無実を証明するために、弁護士「百谷」は私財を投じて、大胆な手法で、完璧な検察の主張を突き崩していくのである。
これに比べれば『愛の流刑地』なんて「ふざけるな!」と言いたいくらい。読まないと分からないと思うが、「陪審制」らしきものが日本にも導入されそうなので、いろいろ考える余地のある小説である。
今日の名言
検事から、愛する女性のために「死体遺棄」に走る場面の弁論。
「そのときは、そういうことは考えませんでした。自分は愛情のため、愛する女を救うために、こういう罪まで犯したのだ。この犯罪が発覚するかしないかは別として、この恋はこれで終わったと思ったのです。」
「ほう、それはどういう理由からか。罪をともにした男女は愛し合っておればおるほど、たがいによりそい、なぐさめあって、おたがいに罪を忘れようとするのが、ふつうの人情だろう。それほど、被告人は女性に対して非情そのものだったのか?」
「二人の間には、眼に見えるか見えないかは別として、一つの死体があったのです。」
凄気を感じさせる一言だった。傍聴人はどよめいていた。溜息、吐息、声にならない叫びが一瞬に爆発して、全法廷を揺さぶり動かしたようだった。
ちょっと今読むと、歴史の隠された部分に対して理解がないと分からない部分も多いかもしれない。最近の裁判の実情については、『裁判長!ここは懲役四年でどうですか』(北尾トロ)なんて、面白いかも知れないが、日本の刑事裁判の場合、立件されたら9割以上が、有罪という事実も知っておいた方が良いかもしれない。ただし、執行猶予も含めての数字ではあるが・・・。
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